日本の昔話、おとぎ話、民話

笠地蔵2 笠を売りに

笠を売りに

次の日、おじいさんは、笠を売りに、町に出かけました。
途中、峠(とうげ)に立っている六人のお地蔵さんのところで、
「どうか、笠が売れますように。」
と、手を合わせました。

町についたおじいさんは、
「笠はいらんかね。とても丈夫な笠だよ。」
と大きな声を出しながら、あちこち歩いてまわりました。

しかし、町の人はお正月の準備でいそがしく、誰も笠などほしがりません。
それでも、おじいさんは大きな声を出しながら、夕暮れまで笠を売り歩きましたが、
結局、笠は1つも売れませんでした。
おじいさんは、しょんぼりと肩を落としながら、家路につきました。


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