狐の嫁入り5 晴天の雨
竹蔵は、取り返しのつかないことをしてしまったと後悔しましたが、時すでにおそしです。
祝言(しゅうげん)がおわると、神主(かんぬし)は、雨乞いの祝詞(のりと)をとなえはじめました。
すると、池の中から龍神が現れ、あっという間にお紺をさらって、池の中へと戻っていきました。
すると、空は晴れ渡っているのに、パラパラと大粒の雨が降りはじめました。まるでお紺の涙のように。
とつぜんの雨に村人たちは大喜びですが、竹蔵の心は、一生晴れることはないのではないかと思いました。
ー おしまい ー