やがて大勢いた求婚者たちも姿を見せなくなりましたが、5人の貴族(きぞく)の若者たちだけはあきらめませんでした。 翁は姫に、 「私も70歳を越えたので、早くあの若者たちの誰かと結婚して安心させてくれないか。あなたの行く末が心配なのじゃ。」 というと、姫は、 「あの方たちの私への愛情の深さを知るために、私がとても見たいものをここに持ってきてくれた方の、結婚の申し込みをお受けしたいと思います。」 といいました。