日本の昔話、おとぎ話、民話

かぐや姫6 宝探しの結末

宝探しの結末

まず、もどってきたのは『仏の御石の鉢』を探すようにいわれた若者でした。
しかし、若者が持ってきた鉢を一目見るや、かぐや姫は、
「この鉢は、本物なら光り輝いているはずなのに、少しも光っていませんね。」
と偽物であることを見破ってしまいました。
じつは、この若者は、天竺(てんじく)へ鉢を探しに行くと嘘をついて出かけて、しばらく身をかくした後、どこかの山寺にあった鉢を立派な袋に入れて、かぐや姫のところへ持ってきたのでした。

つぎにもどってきたのは『蓬莱山にある玉の枝』を探すようにいわれた若者でした。
若者が差し出した宝石で彩られた枝を見て、姫は、これは本物に違いないと思いました。
しかし、そのとき、一人の職人(しょくにん)の男がやってきて、
「どうか、先日私がおつくりした、玉の枝の代金を早く支払ってくださいまし。」
といったので、この若者が持ち帰った宝物も、また偽物であることが分かってしまいました。


天竺(てんじく):インドのこと


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