日本の昔話、おとぎ話、民話

かぐや姫7 帝の行幸(みかどのみゆき)

帝の行幸(みかどのみゆき)

さて、帝もかぐや姫がこの上ない美しさであることを聞かれ、使者を翁の屋敷に遣わし、姫を宮廷(きゅうてい)につれてくるよう命じました。

翁は、かぐや姫が帝の目にとまったことをありがたく思いましたが、姫は、
「帝がそういわれてもありがたいことだとは思いません。もし、宮廷にいくことをお断りすれば帝の命令に背くことになるとおっしゃるのなら、早く私を殺してください。」
といいます。
結局、翁は、帝のお申し出をお断りすることを丁寧に使者に伝えました。

このことを使者が、帝にお伝えすると、帝は、
「それほどのことをいうとは、どのような娘か一目見てみたいものだ。」
と、今度はご自身で翁の屋敷へ行幸(みゆき)され、かぐや姫の姿をご覧になりました。
そして、その輝くばかりの美しい姿に、これは世の常の人ではないとお思いになり、その場で求婚されました。
いっぽうで、姫も帝の気高い(けだかい)お姿に心をうごかされましたが、結婚のお申し出だけは、受け入れることはありませんでした。


宮廷(きゅうてい):帝(みかど)と家臣(かしん)が、政治(せいじ)を行う場所
帝(みかど):天皇のこと
行幸(みゆき):帝が外出すること


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