かぐや姫8 かぐや姫の秘密(ひみつ)
そうこうするうちに、3年の月日が経ちました。
春の初めから姫は月を眺めては悩んでいる様子で、夏も過ぎると人目もはばからず泣くばかり。
翁が問いつめると、最初は泣くばかりで何も話しませんでしたが、ついに、
「私は月の都の者で、前世の約束があったのでこの世界にやってきたのです。次の満月の夜、月からの使者がむかえに来て、私を月の都に連れもどします。」
と、うちあけました。
前世(ぜんせ):生き物は何度も生まれ変わるという考えで、生まれかわる前の人生のこと。今、人間でも、前世は人間だったかは分かりません。