
かぐや姫9 満月(まんげつ)の夜
![]() |
![]() |
![]() |
翁は、最初は姫が何をいっているのか理解できませんでしたが、ようやく事の重大さに気がつくと、
「今日まで大切に育てた姫を、月などに帰すものか!」
と、帝の宮廷へ行き、月からの使者を迎え撃ってもらうようにお願いしました。
帝も、これは大変なことになったとお思いになり、満月の日、大勢の武士を翁の屋敷へ派遣(はけん)して、かぐや姫を家の中に閉じ込めて守ることを約束しました。
しかし、姫は、
「月の都の者たちと戦うことなど、きっとできないでしょう。」
といってなげくのでした。
そして、いよいよ満月の日になりました。
宵(よい)の時刻がすぎて、真夜中になると、あたりは昼よりも明るく光りわたり、天空から雲に乗って、きらびやかな衣装をまとった月の都の使者が、地上にむかっておりてきます。
武士たちはいっせいに月の使者めがけて矢を放ちました。
しかし、月の都の使者の光り輝く姿を見ると、武士たちはしだいに力を失い、それ以上、戦うことができなくなってしまいました。
宵(よい):日がくれた後、すぐの時間。夜が更ける(ふける)前
![]() |
まえのページへ |
![]() |
つぎのページへ | ![]() |